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2024年04月24日

人件費はコストではなく付加価値である。

 人件費とは、給料や社会保険料などを指し、会計上の費用です。しかし、これを単なるコストとして捉えると、経営者は削減を目指すことになり、社員のモチベーション低下や長期的な成長に影響が出るかもしれません。

 この問題の一因は、売上高営業利益率(ROS)という業績評価方法にあります。一般に、ROSが高いことが株主にとって良い指標とされ、営業利益は人件費次第で調整可能なため、人件費を削減することでROSが上がります。

 たとえば、A社とB社が同じ売上だと仮定します。A社は低い給料を支払いROSが高く、B社は高い給料を支払いROSが低いとします。ここで、どちらが良い会社かという疑問が生じます。株主にとってはA社が良いかもしれませんが、社員にとってはB社です。しかし、社員の満足度が低い会社が将来的に成長していくのでしょうか?

 そこで、付加価値額という別の評価手法があります。これは、営業利益に人件費と減価償却費を加えたもので、企業の評価として妥当性が高いと考えられます。付加価値額を従業員数で割った労働生産性も重要な指標です(付加価値額は賃借料や租税公課を加える場合もあります)。

 経営者はどちらの指標を見ながら経営すべきか考える必要があります。上場企業の経営者はROSを重視しますが、特に小規模企業では付加価値額の方が重要であると考えます。そのためには、営業利益、人件費、設備投資などのバランスを考えつつ、社員の満足度を高めていく必要があります。

 また、人件費は広告宣伝費とも考えられます。社員の待遇が悪いと会社の評判が悪くなり、業績に影響が出る可能性があります。逆に、待遇の良い企業では社員のモチベーションが高まり、業績UPに寄与します。

 最近では、労働条件に虚偽を提示する企業もあります(猫の液体フードや缶詰を作っている会社のことです)。その結果、社員のモチベーション低下や品質管理上の問題が発生する可能性があります。経営者が人件費をコストとして認識することが、こうした問題の一因と考えられます。

 まとめますと、私自身の会社経営や社外にコンサルティングを行う際には、経営者が人件費を付加価値として捉え、社員の給料増加に焦点を当てることが重要だと考えています。人件費を単なるコストとして捉えると、将来的に痛い目に遭う可能性が高いとも言えますね。

  

2024年04月13日

ITパスポートは経営者にこそ取って欲しい資格

 ITパスポート(略してiパス)とは独立行政法人 情報処理推進機構が実施する国家試験で、「iパスはITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。」との説明がありました。

 一方、インターネットで検索すると、「取っても履歴書に書けない、意味のない資格」などワードが出てきて、あまり良く評価されていないようです。しかし、日本経済新聞によりますと、「ニトリ 全社員の8割にIT国家資格 25年までに」という記事もあり、ITリテラシーを高めるうえで有意義であるものと考えます。さらに、簡単とは言っても合格率は50%程度であり、約半分の受験者は不合格になっているのが実情ですので簡単とまでは言い切れないと思います。

 私がこの資格の存在を知ったのは、昨年受験した中小企業診断士の試験の中で経営情報システムという科目があり、その対策としてITパスポート試験が役立つと知ったからです。(中小企業診断士の方は1次試験は一発合格しましたが、2次試験で不合格となりました。今年再受験です。)
 実際、ITパスポートの勉強をしてみると知らない言葉が多くて結構難しいと感じました。ただ、試験自体は選択肢の設定が甘いので消去法でも答えは導くことができます。
 勉強していて切実に感じたのは、この資格は「経営者にこそ取って欲しい資格である」ということでした。もちろん経営者がこの資格を取ったところで売上や役員報酬が増える訳ではないですが、経営者がシステム導入やセキュリティ対策、システム担当者との打合せの際に、最低限のIT知識を持つことは必要であると考えます。最近は少なくなりましたが、過去にはいかに優れた経営者であっても「システムのことはわからない」とか、「パソコン使えないから担当者に丸投げ」という事例が多くありました。また、中小企業ではシステム担当者がいない場合が普通なので、経営者がIT知識を持たないと経営面で痛い目にあうことがあります。

 実際、私がコンサルティングを行った会社の事例を紹介します。

 その社長様は40代後半の方で製造業を経営しておりますが、IT知識に疎かったため、ITベンダーから高額な生産管理ソフトを「補助金が出ますし、申請書類もこちらで作成します。」など言われ、安易に導入してしまったそうです。いざベンダーから操作指導を受けたものの、既存データのシステム移行やマスタのメンテ等はベンダーの契約範囲外であり、誰も使いこなせず困っていたそうです。当初、本件は私とのコンサル契約の範囲外だったのですが、他に誰も対応できない状況だったことから急遽このシステム立上げを支援することになりました。まずはデータ移行の前段階として、社内の既存データの分析から始め、システムに登録する必要がある情報の整理と基本的なルール作り、運用方法の仕組み作りまで行いました。試行錯誤の上、何とか無事に立上げに成功しましたが、このソフトは非常に使い勝手が悪く、私ならこのソフトよりももっと使い勝手の良いソフトを探していました。
 そもそも、中小企業にはそれほど大がかりなシステムは必要なく、Excelなどの表計算ソフトで十分なことも多いと感じていますが、自分達でExcelをうまく使いこなせないため、ベンダーから高くて使いにくいシステムを買ってしまっているようです。しかもカスタマイズができないので、結局、実務でも使い物にならないことが多いようです。

 さて、今年になって少し時間に余裕ができたので、1月末にITパスポートを受験してみました。この試験の良いところはCBT(パソコン画面を見ながらクリックして回答する方式)で試験日がほぼ毎日のように設定され、ネットで簡単に申込できるところです。試験会場はOBCから一番近い川崎の会場で受験しました。試験会場は一度に40名以上受験できる施設で、当日は20代~50代ぐらいの受験者が多数来ていました。試験時間は2時間で問題数は100問、6割以上の正解で合格です(その他合否要件ありますので試験運営サイトをご確認ください)。私は試験開始後、約1時間後に途中退室しましたが、最後に「試験を終了する(ような表現で正しい表記ではないと思います)」をクリックすると、その場で点数が画面に表示されます(合否判定ではなく、点数のみ表示されます)。
 結果は合格基準を超えており、後日合格証書が郵送されてきました。この合格証書自体は立派で経済産業大臣の名前まで記載されています。 比較的簡単と言われる資格とはいえ、合格したことは嬉しかったですし、ITパスポートは広く浅い知識で合格できるので、経営者にこそ取って欲しい資格であると思っています。

 

2024年04月10日

事業がうまくいっている会社・個人事業主の特徴

 前回はうまくいっていない会社・個人事業主の特徴について書きましたが、今回は逆です。ただ、この内容は極めて難しいです。理由は事業がうまくいっていて卒業退会する方は稀で、うまくいっていてもそのままご利用を継続される会員様が多いからです(ありがたいことです)。
 また、私自身が未だ成功者とは言えず、発展途上段階なので確たることは言えませんが、知人の成功者や大富豪と呼ばれる方から直接伺った話を含めて整理したいと思います。

特徴1. 事業がうまくいっている経営者は友達が多い。

 仕事がうまくいくかどうかは、結局のところ偶然の要素が大きいので、仲間が多いほど成功に近づけるということのようです。また、経営者同士の友達が多いのも特徴で、これは特徴2(後述)とも関連しますが、意思決定のできない・遅い人とはスピード感が違うのだと思います。
 経験談として、お金持ちの経営者様と行動を共にしますと、こちらは貧乏だから奢ってもらって当然ということはなく、通常は割り勘であったり、交互にお支払いすることが多いです。一方的におごってもらい続けていると関係では友人関係の継続は難しいと考えます。貰うより与える、見返りは求めないのが成功の秘訣のような気がします。

うまくいっている経営者は先輩を敬い、友達が多く、後輩の面倒を見る。

特徴2. 失敗を恐れず、行動が早い。

 これは私自身も経験的によくわかりますが、百発百中、連戦連勝というビジネスは存在しないということです。
プロ野球の選手で打率3割(7割は失敗?)あれば名選手ですし、プロの写真家はたくさん写真を撮って、使うのは数枚だけです。よって、多く失敗するには早く行動するしかないのです。そして失敗の中で、改善策を試しながら成功の確率を高めているようです。
 また、失敗しても、恥ずかしいという感情は少ないようです。過去の失敗談を笑い話にして、現在の成功している自分と対比している経営者様が多いように感じます。
 逆に、うまくいっていない経営者様は失敗を恐れて行動すらしません。実際、新しい仕事の話があってもやったことがないからできないと言う経営者様がいました。一体、なぜ独立したのかと感じることがあります。
 ちょっと話は逸れますが、うまくいっている経営者様は早食いの方が多いそうです。これは相手を待たせないという配慮ができる経営者こそが成功の秘訣の一つだと思います。

うまくいっている社長は行動も食事も早い。

特徴3. 社員を雇っている。

 こんなの当たり前と思われるかもしれませんが、独立直後は社員の雇用が難しいので、一人で経営している方が多いです(飲食店などは当然違うと思いますが)。社員の雇用は毎月の固定的支出が増えるので資金繰りの悪化や利益を圧迫します。しかし、事業を拡大していくにはどうしてもビジネスパートナーの存在が不可欠で、どこかのタイミングで社員を雇用する必要があります。逆に一人で経営し続けている会社さんで大きく伸びているは見たことがありません。私も10年以上一人で経営してきましたが、一人だと自分が生きていくだけのお金を稼げれば良いという発想になってしまい、成長できませんでした。実際、OBCを譲受してからパート社員を雇用しており、実体験として雇用のメリットを4つ挙げます。

 (1)毎月人件費を払う必要があるので、社長自身がビジネスを真剣に取り組むようになる。
 (2)お客様と経営者の間に立って、別の視点からの意見を貰える。
 (3)社員が営業マンとなって会社を宣伝してくれる。
 (4)社長の自由時間が増え、営業活動に使える。

 2人で仕事することで2倍以上の価値を創出している会社こそが、うまくいく経営のコツのような気がします。
そのためには何よりも社員の待遇改善ややりがい、働きやすさを考えることが経営者の仕事であると考えています。
 弊社の経営で私自身が心掛けていることは、

 (1)社員に任せる仕事の範囲を徐々に広げ、やりがいを感じてもらう。
 (2)一部歩合制で業績や努力の結果を待遇改善に繋げる。
 (3)空いている時間は自主学習時間に充てて良い(資格取得や語学学習等)。
 (4)シフト変更は柔軟に応じる。

 ところが、これが正しい経営であるとは思っていません。実際、以前在籍していたパート社員はこのような方針が気に入らなかったようで、わずか1年で退職してしまいました。まだまだ経営者として未熟です。

 社員の雇用は掛け算経営。

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