小規模事業者持続化補助金の活用事例 申請から入金まで


OBC大田ビジネスコミュニティーセンターでは、第12回小規模事業者持続化補助金を活用し、広告宣伝とサービス向上を図りました。補助金はホームページの作成やチラシのポスティング、防犯カメラの設置等に使用しました。2023年5月に申請準備を開始し、2024年7月にようやく補助金の入金がありました。ここでは、小規模事業者持続化補助金の活用について整理し、その利点と注意点について詳しく見ていきます。

1. 小規模事業者持続化補助金の概要

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者(常時雇用している従業員数による)が経営計画に基づき行う販路開拓等の取り組みを支援するための制度です。販路拡大や業務効率化のための経費の一部が補助されます。基本的には2/3が補助されますが、ホームページ制作費等のウェブ関連費には制約があります。

2. 申請段階

申請の際には、A4サイズで8枚の事業計画書を作成する必要がありました。これには時間と労力がかかり、具体的な計画と見通しを詳細に記載することが求められます。また、商工会議所で中小企業診断士によるチェックがあります。文章の作成に慣れていないと大変な作業となるでしょう。

3. 採択から実施まで

採択後の実施段階では計画に沿って実行するだけですので、それほど問題はありません。ただし、実績報告に必要な書類を事前に確認しておくべきでした。報告時に書類を探すのに苦労しました。

4. 実績報告

実績報告には、見積書、発注書、領収書、現物写真、通帳の振込金額がわかるページの写しなど、多岐にわたる書類が必要です。書類の並び順まで指定されるため、大変な作業となります。

5. 入金

補助金の入金は実績報告後となるため、その間は全額を立て替える必要があります。一時的に資金繰りが厳しくなる場合があるため注意が必要です。

注意事項

  • 見積は正確に: 見積と実際の発注額が異なると総額が変わり、ウェブサイト関連費に影響が出るため注意が必要です。数量に関しては調整可能ですので、バッファーとしてポスティングチラシの枚数で調整しました。
  • 補助金コンサルの活用は慎重に: 申請代行は違法行為となる場合がありますので注意してください。IDやパスワードを開示して丸投げするのは違法行為であり、補助金申請が採択されない場合や返納の可能性もあります。信頼できるコンサルタントの選定が重要です。

補助金活用の是非

補助金の活用においては、以下の点を考慮する必要があります。

  • 手間と時間: 書類作成や実績報告の手間を考慮し、本当に補助金を活用する必要があるか慎重に検討することが重要です。
  • 機会損失: 補助金採択前に発注ができないため、スピード重視の事業では機会損失が生じる可能性があります。
  • 実績報告の準備: 見積書や発注書、領収書、現物写真など多くの書類を整理し、実績報告を見越した書類準備が必要です。
  • 全額立て替えの必要: 入金までの間、全額を立て替える必要があり、資金繰りが悪化するリスクがあります。
  • 単品発注のリスク: 単品発注では採択されないと補助金活用できませんので、複数発注を行うことで、採択拒絶のリスクを回避できます。
  • 商工会議所からの支援がない: 地域によると思いますが、私の場合は申請以降、何も支援はありませんでした。
  • 実績報告の厳格なチェック: 公的資金であるため、実績報告書は細かいところまでチェックされます。

まとめ

補助金をうまく活用することは事業の発展に繋がりますが、手間と時間が掛かるのも事実です。費用対効果を見極めることが重要です。OBC 大田ビジネスコミュニティーセンターでは、このような補助金申請についての支援も行っております。今回、申請から入金まで経験しましたので、お力になれることもあるかと思います。また、申請書作成相談の実績1件あります。お気軽にご相談ください。