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2025年01月25日

【事例】契約書なしの取引が招いた債権回収トラブルと解決策

最近、OBC 大田ビジネスコミュニティーセンターのお客様で売掛金ができずに相談を受ける事案が相次いでいます。契約書なしで取引を進めた結果、想定外のトラブルに見舞われた事例をもとに、契約書の重要性と取引リスクを軽減する方法について解説します。


はじめに:契約書の重要性

契約書は、取引における双方の権利義務を明確にし、トラブル発生時の法的根拠となる重要な文書です。私が会社勤めしていた際、上司から「契約書とは自分を守るための武器であり盾である。」と教えられました。

しかし、日本の中小企業では、いまだに口約束で取引を進め、トラブルになるケースが多く見られます。本記事では、契約書がないことで発生した2つの事例を紹介し、対策方法を考察します。


事例1:許認可取得代行の未払いトラブル

状況

ある行政書士が許認可取得代行を依頼され、口約束で業務を進めたそうです。業務が完遂し、請求書を送っても依頼主から報酬を支払ってもらえずどうすれば良いでしょうか?という相談がありました。依頼者とは連絡は取れるものの、言い訳を繰り返し支払いを先延ばしにされていたそうです。

解決方法

ヒアリングの結果、相手と連絡がつき、実態のある店舗でビジネスをされているとのことだったので、再度期限を決めて支払い督促し、期日までに支払いがない場合は委任権限に基づき、許認可を取り下げることことを提案しました。また、「許認可を出した行政機関にも報告する」と付け加えるようにアドバイスしました。

結果

今回は相手からの支払いがあり解決しましたが、相談者は債権回収に至るまでの精神的負担が大きかったと言っていました。今後は、契約書や見積書を提示し、支払い条件を明記したり、前金での受注を徹底するようにアドバイスしました。


事例2:商社の夜逃げ債権回収不能

状況

次に、別のレンタルオフィスの会員様から相談を受けた事例を紹介します。相談者は大手企業向けに製品を設計・製作し納品していました。しかし、その大手企業は中小企業と直接取引したがらないことから、大手企業から紹介された商社を経由で取引していたそうです。大手企業からの紹介ということで安心したため、その商社とは何ら契約書を締結せずに数年間取引していたそうです。ところが、その商社が突然夜逃げし、売掛金数百万円を回収不能に陥りました。相談者が商社の事務所を訪問したところ、既にもぬけの殻で、連絡もつかない状況でした。

解決方法

相談者には、商業登記簿を取得して商社の代表者個人の住所に支払い督促の内容証明郵便を送ったり、不法行為により法人と代表者個人を対象とした民事訴訟をすること弁護士に相談してはどうかと提案しました。本人訴訟であれば費用はそれほど掛からないことも伝えました。また、紹介元となった大手企業にも事態を説明するようアドバイスしました。

結果

相談者は、契約書がないことや裁判への抵抗感から債権回収を諦めたそうです。ただ、相談者には仕入れ代金を氏ら払う必要があったため、アルバイトをする事態になりました。


契約書作成のメリット

身近に起きた2つの事例を紹介しましたが、これらに共通するのは、やはり契約書なしに取引を進めてしまったことです。もちろん、契約書があったからと言って売掛金の回収ができる訳ではないですが、契約書があれば法的根拠として支払い督促したり、訴訟で有利になります。更に、支払い遅延の場合のペナルティや代表者個人への連帯保証をつけさせることもできます。また、金額が大きい場合は一部前金にしてもらうという方法もあります。

最も大事なことは、契約書を作成する過程で、自社にどんなリスクがあり、それを回避する方法を考える時間ができることです。これにより、相手が本当に望ましい取引先なのかを見極め、取引上のリスクを低減することができます。


契約書のおかげで訴訟に勝利

自分で契約書を作成するとなると手間や時間が掛かりますし、法律もある程度知らなければなりません。また、弁護士にリーガルチェックを依頼すると費用も掛かります。

ですが、これらの手間や費用を掛けることが自分を守る保険となるのです。実際、OBCでもレンタルオフィスの会費滞納者に対し損害賠償請求訴訟をしましたが、その根拠となるのはやはり契約書です。現在、2件の裁判が終了し、、1件は完全勝訴、もう1件は概ねこちらの主張が認められた形での和解が成立しました。両者とも会費滞納分だけでなく、違約金や延滞利息まで支払うことになりました。これらは契約書に記載があり、合意していたからこそ認められたのです。

継続取引や金額の多い取引、トラブルリスクになると感じた場合、まず契約書の作成から始めることを推奨します。相手が急いでいるとか納期がないからと言った場合でも、しっかり準備をしないと、後でトラブルになるリスクが高いです。代金を払ってもらえず、自分の支払いは猶予されず、弁護士費用まで掛かるとなると、資金に余裕がない場合、会社倒産してしまう恐れがあります。


まとめ

契約書は、トラブルを未然に防ぎ、万が一の際に自社を守る強力なツールです。特に継続取引や金額の大きい案件では、契約書を作成する時間を惜しまず、リスクを軽減するための準備を徹底しましょう。また、費用が掛かっても信頼できる弁護士を探し、リーガルチェックを依頼することを推奨します。第三者の意見や法的根拠に基づく強い契約書を作成して貰えます。

ご契約は慎重に!

2025年01月11日

OBC会員 ユミブライダル様のYouTubeご紹介

明けましておめでとうございます。

本年もOBC 大田ビジネスコミュニティーセンターをよろしくお願いいたします。

新年最初のお知らせは、OBCレンタルオフィス会員である結婚相談所「ユミブライダル」様が運営されているYouTubeチャンネルをご紹介いたします。

結婚相談所ユミブライダル様のご紹介

ユミブライダル様は大田区を中心に、東京近郊にお住まいの方々をメインにご縁組みを行っています。IBJ正規加盟店として長年にわたりご活躍され、これまでにIBJより7期連続で表彰されています!

  • 2024年 IBJアワード上期 PREMIUM部門 受賞
  • 2023年 IBJアワード上期・下期 PREMIUM部門 受賞、成婚数が多い相談所上位300社 受賞
  • 2022年 IBJアワード上期・下期 PREMIUM部門 受賞
  • 2021年 IBJアワード上期・下期 PREMIUM部門 受賞
  • 2020年 IBJ上期・下期 入会・成婚成長賞W受賞
  • 2019年 IBJ上期 入会優秀賞 受賞
  • 2018年 IBJ年間 功効賞 受賞

かと言って、代表の粟井友美様は、無理な成婚を押し付けるようなことは全くなく、ご相談者様に寄り添った支援を大切にされています。実際、私は独身ですが、一度も勧誘されたことはありません。

OBCの貸し会議室で面談されることもあり、よくお会いしてますが、とても明るく気さくな方で、なんでも話しやすい雰囲気をお持ちの方です。

いきなり直接お会いする前に、まずはYouTubeで粟井様の印象や雰囲気を感じ取っていただければと思います。

ユミブライダル様のウェブサイト

東京都大田区の結婚相談所 ユミブライダル |

ユミブライダル様のYouTube チャンネル登録よろしくお願いします。

https://www.youtube.com/watch?v=4ogLw_ShaNU&t=17s&pp=ygUl57WQ5ama55u46KuH5omAIOODpuODn-ODluODqeOCpOODgOODqw%3D%3D

2024年12月25日

【終了】プルデンシャル生命保険株式会社様主催 新NISA活用セミナーのお知らせ


資産形成やライフプランニングに興味のある皆様に朗報です!プルデンシャル生命保険株式会社様が主催する「安心して始めるための真の新NISA活用セミナー」が開催されます。このセミナーは無料で参加いただける少人数制のイベントです。ぜひご検討ください。

セミナー詳細

セミナー内容

1級ファイナンシャル・プランニング技能士である近本柾紀氏が、初心者でも安心して始められる新NISAの活用法を丁寧に解説します。ライフプランニングや資産形成における具体的な手法を学びたい方に最適です。

さらに、セミナー参加後には、講師による無料個別相談をその場で予約いただけます(希望者のみ)。通常は相談料が発生するファイナンシャル・プランナーのアドバイスを無料で受けられるチャンスです。

お申し込み方法

氏名・電話番号・メールアドレスを以下の連絡先にご送付いただくか、右記のQRコードよりエントリーしてください。
担当者: 青山第一支社 鈴木 昴

注意事項

  • 各回とも内容は同一ですので、ご都合の良い日時でご参加ください。
  • 開場は開始15分前です。時間前入室はご遠慮ください。
  • 参加は大森・蒲田エリア在住の方に限られます。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

2024年12月16日

コンサルタントの役割について考える

以前、「良いコンサルタントの見つけ方」という記事を書きましたが、今回はコンサルタントの役割について考えてみたいと思います。

私が考えるコンサルタントの役割とは、クライアントの意向に寄り添いながら、より良い方向に導く“軍師”のような存在です。一方、営業代行は“傭兵”のような役割だと言えるでしょう。この二つの役割には明確な違いがあります。しかし、現実にはこの違いを混同しているクライアントが少なくありません。軍師に傭兵の役割を期待されてもうまくいきません。

例えば最近、次のような依頼がありました。

  • 「開業したので何か仕事を紹介してほしい」
  • 「開業したばかりで何をして良いかわからないので、一から教えてほしい」

このような依頼にはお応えできません。それどころか、経営者としてその程度の考えしか持たずに開業したのなら、すぐに開業を取り下げた方が良いとお伝えしています。厳しいようですが、経営を軽々しく考えて欲しくないからです。そのような考えでは、経営者本人以上に、その顧客に迷惑を掛けるリスクが高いと考えてるからです。


勢いでの独立・開業のリスクと覚悟

勢いに任せて独立・開業してしまうケースは少なくありません。過去に聞いた話では、勤務先と衝突して退職したものの次の就職先が見つからず、やむを得ず独立したという例もありました。こうした場合、準備不足で苦労することが多いですが、背水の陣で業務に邁進し、結果的に成功する方もいます。

一方で、準備不足のままでは多くのリスクを抱えることになります。守秘義務のため詳細は控えますが、私がコンサルティングを行ったある士業の方の場合、開業後半年で売上250万円を超えました。その方も開業当初は不安を抱えていましたが、コンサルタントとして私が助言をすることで、軌道に乗り始めたと感謝されています。その方によると、同時期に開業した方々には既に廃業したケース、思うように案件が取れずアルバイトに専念せざるを得ないケースもあったようです。経営者としての覚悟と準備がいかに重要かを改めて感じます。


副業的開業における注意点

副業として開業を目指す方も増えていますが、注意が必要です。業種によりますが、不動産賃貸経営や転売ビジネスなどのように、比較的柔軟な時間で対応できる業務は副業に向いていると言えます。しかし、平日日中に顧客や業者との打ち合わせや役所手続きが必要な業務では、特に注意が必要です。

本業がおろそかになることで会社での評価が下がったり、顧客から対応の悪さを指摘されるケースが少なくありません。このような方に対して私は、「どこまで本気で事業を行いたいのか」「経営者としての覚悟はあるのか」を見つめなおすようアドバイスしています。

副業を成功させるためには、自身の置かれた環境や、副業を行うメリット・デメリットを十分に精査することが不可欠です。こうしたプロセスを支援するのがコンサルタントの役割でもあります。


コンサルタントの役割を理解し活用する

まずはクライアント自身がコンサルタントの役割をしっかりと理解することが重要です。「何を」「どこまで」「いくらで」「いつまでに」依頼するかを明確にすることで、コンサルタントの能力を最大限に活用できます。

OBC 大田ビジネスコミュニティーセンターでは、レンタルオフィスの会員でなくてもコンサルティングを受けられます。特に製造業、サービス業、士業に関するコンサルティングを得意としておりますので、お気軽にご相談ください。ただし、有料サービスなのと、対面でのコンサルティングが必須ですので、蒲田周辺の方限定となります。

2024年10月02日

ベルンド・ケストラー先生の編み物の著書がOBCに展示中!編み物教室も開催中!

世界中で名を知られるドイツ人編み物作家、ベルンド・ケストラー先生編み物に関する著書が、大田ビジネスコミュニティーセンター(OBC)の施設内にて展示されています。展示されている著書は、編み物の技法や独自のデザインを学べる貴重な資料です。

ベルンド・ケストラー先生について

ベルンド・ケストラー先生は、長年にわたり編み物の分野で活躍され、独自の技術とデザインセンスで世界中の編み物愛好者から支持を集めています。彼の作品は、伝統的な編み物の技法を大切にしつつも、現代的なアプローチやスタイリッシュなデザインが特徴です。その著書は多言語で出版され、初心者にも分かりやすい指導が評価されています。ケストラー先生の手法を学ぶことで、編み物のスキルを格段に向上させることができます。

編み物教室について

さらに、毎月第1・第3水曜日にOBCの第1会議室で、ベルンド・ケストラー先生ご自身が指導する編み物教室も開催されています。この教室は、編み物を初めて学ぶ方から、既に経験のある方まで、幅広いレベルに対応した内容となっています。先生が丁寧に指導してくれるため、どんな質問や疑問にも親切に対応していただけます。教室の料金は1回2時間、月2回のレッスンで、月額3,000円と非常にリーズナブルとなっています。また、夜の教室もありますので、仕事終わりに習うこともできます。

さらに、先生は日本語での指導にも対応しているため、言葉の壁を感じることなく安心して参加できます。編み物を始めたいけれど、どこから手をつけて良いのか分からない方や、新しい技術を学びたい上級者の方まで、どなたでも参加いただける教室です。

参加方法とお問い合わせ

編み物教室に参加してみたいという方は、ぜひBernd Kestler's Storestores.jp)にて直接お申し込みください。お申し込み方法や詳細なスケジュール、その他の情報についても、公式サイトでご確認いただけます。また、教室の定員に限りがあるため、早めのご登録をお勧めします。

お問い合わせ先:


School | Bernd

Instagram

アクセス情報:

大田ビジネスコミュニティーセンター(OBC)
東京都大田区西蒲田8-24-1 ミマツビル 編み物教室は5階 第1会議室
電車でお越しの方は、蒲田駅南口から徒歩3分ですので、アクセスも便利です。

編み物の魅力に触れる機会をお見逃しなく!

ベルンド・ケストラー先生の著書を閲覧し、さらに実際に先生から直接指導を受けることができるこの機会は、編み物愛好者にとって貴重な体験となることでしょう。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

ベルンド・ケストラーの引き返し編み ドイツ式だからすいすい編める

ベルンド・ケストラーのいちばんわかりやすいブリオッシュ編み

ベルンド・ケストラーのポケットドール

Amazonへのリンクです。その他にも著作多数あります。

2024年08月21日

業務改善の進め方5 社員からの改善提案は不要

以前、ある製造業の社長様から、事務や現場で働く社員からの改善提案が出ないという悩みを聞きました。その会社では過去に改善提案に対して報酬を出していましたが、それでも提案が増えなかったそうです。

このような状況に対して、「改善提案とは、実は非常にレベルの高い要求です。社員にそれを求めるのは得策ではありません。」と助言しました。今回は、社員に改善提案を求めずに改善をする方法について述べていきます。

1.改善提案の難しさ

改善提案とは、社員が自発的に業務上の問題を把握し、対策を考え、効果を試算し、書面にまとめて提案するという非常に高度なプロセスです。これは、病気の患者が自分で診断を行い、検査や治療法を医師に指定するようなものです。患者が医師に治療を委ねるのと同じく、改善提案から実行までは専門家に任せた方がより効果的なのです。

2. 社員が改善提案を出さない理由

社員が改善提案を出さないのには、下記の理由が考えられます。

  • 改善方法が不明: 問題を把握していても、どう改善して良いか分からない。
  • 自己能力不足の懸念: 複数の社員が同じ業務をしている場合、問題提起が自分の能力不足と思われるリスクがある。
  • 人間関係のリスク: 目立った行動が、同僚との人間関係を悪化させるリスク。
  • 改善失敗のリスク: 改善が失敗した場合、その責任を負うリスク。
  • 報酬の不確実性: 改善が成功しても、報酬が少ない、または確約されていないことがある。

さらに、職場からの改善提案は全体を俯瞰できていないポジションの社員が発案しますので、部分最適になりがちです。せっかく社員が頑張って改善提案を出しても、一度却下されてしまうと萎縮してしまい、次の提案が出にくくなります。

3. 専門家による問題解決の重要性

そこで、私が行う現場改善コンサルティングでは、社員から改善提案を求めるのではなく、職場の問題を抽出することに重点を置いています。職場が抱える問題点や困っていることを徹底的にヒアリングし、対策は私が考えます。ただし、改善策が押し付けにならないように、途中で職場の意見を聞きながら、経営層を含む関係者と事前にすり合わせを行います。また、本格実施前には必ずテスト運用を行い、慎重に改善活動を進めます。この手法は時間がかかりますが、失敗のリスクを最小限に抑えられます。

4. 社員モチベーションの向上

通常、コンサルタントには人事権がありませんので、社員との人間関係がうまく構築できると、気軽に相談して貰えるようになります。さらに、コンサルタントという調整役が入ることで、改善活動による社員間の軋轢を生むことがなく円滑に進められます。

また、私の場合は、改善により得られた便益を金額で評価し、その一部をボーナスとして社員に還元することを事前に社長に約束してもらいます(通常便益の1/3を賞与原資としてもらいます。)。これにより社員のモチベーションが向上するのと、コンサルタントへの協力も得られやすくなります。

また、ある程度改善活動が軌道に乗ってくると、徐々に社員たちが自ら考えて行動できるようになってきますので、コンサルティングは後方支援がメインとなっていきます。

5. 会社側にとってのメリット

会社側には一時的にはコンサルティング費用が発生しますが、その費用以上の効果を期待できます。更に社員が改善すると自分たちの収入が増えると実感できますので、より意欲的に働いてくれるようになります。

まとめ

改善提案は社員に求めるのではなく、問題提起にとどめた方が改善活動を進めやすいです。問題解決をプロに任せ、社員に手本を見せることが、より効果的な改善につながります。有能なコンサルタントに依頼することも経営者の仕事であるといえます。

2024年08月06日

小規模事業者持続化補助金の活用事例 申請から入金まで


OBC大田ビジネスコミュニティーセンターでは、第12回小規模事業者持続化補助金を活用し、広告宣伝とサービス向上を図りました。補助金はホームページの作成やチラシのポスティング、防犯カメラの設置等に使用しました。2023年5月に申請準備を開始し、2024年7月にようやく補助金の入金がありました。ここでは、小規模事業者持続化補助金の活用について整理し、その利点と注意点について詳しく見ていきます。

1. 小規模事業者持続化補助金の概要

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者(常時雇用している従業員数による)が経営計画に基づき行う販路開拓等の取り組みを支援するための制度です。販路拡大や業務効率化のための経費の一部が補助されます。基本的には2/3が補助されますが、ホームページ制作費等のウェブ関連費には制約があります。

2. 申請段階

申請の際には、A4サイズで8枚の事業計画書を作成する必要がありました。これには時間と労力がかかり、具体的な計画と見通しを詳細に記載することが求められます。また、商工会議所で中小企業診断士によるチェックがあります。文章の作成に慣れていないと大変な作業となるでしょう。

3. 採択から実施まで

採択後の実施段階では計画に沿って実行するだけですので、それほど問題はありません。ただし、実績報告に必要な書類を事前に確認しておくべきでした。報告時に書類を探すのに苦労しました。

4. 実績報告

実績報告には、見積書、発注書、領収書、現物写真、通帳の振込金額がわかるページの写しなど、多岐にわたる書類が必要です。書類の並び順まで指定されるため、大変な作業となります。

5. 入金

補助金の入金は実績報告後となるため、その間は全額を立て替える必要があります。一時的に資金繰りが厳しくなる場合があるため注意が必要です。

注意事項

  • 見積は正確に: 見積と実際の発注額が異なると総額が変わり、ウェブサイト関連費に影響が出るため注意が必要です。数量に関しては調整可能ですので、バッファーとしてポスティングチラシの枚数で調整しました。
  • 補助金コンサルの活用は慎重に: 申請代行は違法行為となる場合がありますので注意してください。IDやパスワードを開示して丸投げするのは違法行為であり、補助金申請が採択されない場合や返納の可能性もあります。信頼できるコンサルタントの選定が重要です。

補助金活用の是非

補助金の活用においては、以下の点を考慮する必要があります。

  • 手間と時間: 書類作成や実績報告の手間を考慮し、本当に補助金を活用する必要があるか慎重に検討することが重要です。
  • 機会損失: 補助金採択前に発注ができないため、スピード重視の事業では機会損失が生じる可能性があります。
  • 実績報告の準備: 見積書や発注書、領収書、現物写真など多くの書類を整理し、実績報告を見越した書類準備が必要です。
  • 全額立て替えの必要: 入金までの間、全額を立て替える必要があり、資金繰りが悪化するリスクがあります。
  • 単品発注のリスク: 単品発注では採択されないと補助金活用できませんので、複数発注を行うことで、採択拒絶のリスクを回避できます。
  • 商工会議所からの支援がない: 地域によると思いますが、私の場合は申請以降、何も支援はありませんでした。
  • 実績報告の厳格なチェック: 公的資金であるため、実績報告書は細かいところまでチェックされます。

まとめ

補助金をうまく活用することは事業の発展に繋がりますが、手間と時間が掛かるのも事実です。費用対効果を見極めることが重要です。OBC 大田ビジネスコミュニティーセンターでは、このような補助金申請についての支援も行っております。今回、申請から入金まで経験しましたので、お力になれることもあるかと思います。また、申請書作成相談の実績1件あります。お気軽にご相談ください。